追突事故のあと、首の痛みが抜けない。むち打ちと首の深層筋の関係【那覇】

「事故から3週間経つのに、首の痛みが取れない」というご相談

先日、追突事故に遭われた30代の女性が来院されました。整形外科でレントゲンを撮り「骨に異常なし、湿布と痛み止めで様子を見ましょう」と言われたものの、3週間経っても首を横に向けると引っかかるような痛みが取れない、というご相談でした。

むち打ち(頸椎捻挫)は、レントゲンやMRIで骨や神経に大きな異常が見つからないケースが大半です。ですが「異常なし」と言われたからといって、痛みや違和感がすぐに消えるわけではありません。ここに、むち打ちの厄介さがあります。

むち打ちで本当に傷んでいるのは「骨」より「深層の筋肉」

むち打ちは、追突などの衝撃で首が一瞬にして鞭のようにしなることで起こる、頸部の軟部組織の損傷です。骨や神経そのものより先に、首を支えている深層の筋肉が瞬間的に強く引き伸ばされ、微細な損傷を受けます。

特に負担がかかりやすいのが次の筋肉です。

  • 頸部深層筋(多裂筋・半棘筋・回旋筋など): 頸椎の一つひとつをつなぎ、細かい安定性を保っている筋肉。衝撃を最も直接受けやすい
  • 胸鎖乳突筋: 耳の後ろから鎖骨・胸骨にかけて斜めに走る筋肉。むち打ちでは前後どちらの動きでも強く引っ張られ、寝違えのような違和感や、時に頭痛の原因にもなる
  • 板状筋(頭板状筋・頸板状筋): 首を後ろに反らす・回旋させる動きに関わる筋肉。事故直後だけでなく、数週間経ってから硬さが自覚されることもある

浅野先生の理論では、痛みの根本原因は血流不足とそれによる深層筋の線維化にあるとされています。むち打ちの場合も、事故直後の炎症反応の後、傷ついた筋線維の修復過程でうまく血流が戻らないと、筋繊維の一部がコラーゲン組織に置き換わる線維化が進み、これが「レントゲンでは異常がないのに痛みが長引く」状態を作り出します。

むち打ちが起こりやすい3つのシチュエーション

①交通事故での追突・出合い頭

最も多いパターンです。信号待ち中の追突など、自分では予測できないタイミングで衝撃を受けるため、首の筋肉が防御的に力を入れる間もなく振られてしまい、損傷が大きくなりやすい傾向があります。

②スポーツでの接触・転倒

ラグビーやアメフトのタックル、サッカーのヘディングでの接触、柔道の受け身の失敗などでも同じような頸部の損傷が起こります。当院にはコンタクトスポーツをされている方からのご相談も少なくありません。

③転倒・転落

階段からの転落や、自転車・バイクでの転倒でも、首がしなるような力が加わりむち打ちと同様の症状が出ることがあります。

当院でのアプローチ

当院では、長く太い鍼を使い、表面の筋肉だけでなく頸部深層筋や胸鎖乳突筋の深いところまで直接アプローチします。首は重要な神経や血管が集中している部位のため、解剖学的な位置関係を踏まえながら、角度・深さを慎重に調整して刺鍼していきます。

当院では一般的な鍼灸院より強めの刺激を用い、鍼を留置する置鍼を行っています。置鍼によって軸索反射(刺激した神経領域全体に血流改善効果が波及する反応)を十分に引き出す時間を確保することが、線維化した組織の回復には欠かせないと考えているためです。

施術中は「得気(とっき)」と呼ばれる、じんわりとした重だるい響きの感覚が出ることがあります。これは鍼が目的の深さ・筋肉に届いている一つのサインでもあります。

神経症状が出ているケースについて

むち打ちの中には、腕にしびれが広がる「バレー・リュー症候群」タイプや、頸椎から出る神経根が刺激され腕神経叢周囲に影響が及ぶケースもあります。この場合、首の深層筋の慢性的な緊張が神経の通り道を圧迫し、しびれを助長していることも少なくありません。強いしびれや脱力感、めまいなどが強い場合は、まず医療機関での画像検査を優先していただくようお伝えしています。

むち打ちが長引く人と、早く楽になる人の違い

同じような追突事故を経験しても、数週間で楽になる方もいれば、数ヶ月、時には年単位で違和感が残る方もいます。当院で施術をしていて感じる違いの一つは、事故直後からどれだけ早く適切な処置を受けたか、そしてその後、首まわりの筋肉をどれだけ動かさずに固めてしまったかです。

痛みが怖くて首をほとんど動かさない状態が続くと、頸部深層筋や胸鎖乳突筋の血流はさらに悪くなり、線維化が進みやすくなります。かといって急性期に無理に動かすのも逆効果です。炎症の強い時期は安静を優先し、炎症が落ち着いてきた段階で深層筋にしっかりアプローチしていく、という順番がとても大事だと考えています。

自宅でできるセルフケア

  • タオルを使った軽い首のストレッチ:椅子に座り、タオルを後頭部にかけて軽く前方に引きながら、首をゆっくり後ろに倒す。強く引っ張らず、心地よい範囲で10秒×数回
  • 肩甲骨を寄せる運動:むち打ちでは肩甲骨周りの筋肉も一緒に緊張しやすいため、肩甲骨を背骨に寄せるようにゆっくり動かすと、首への負担が和らぐことがあります

ただし、事故直後の急性期に自己判断で強くストレッチをするのは避けてください。炎症が強い時期は、まず安静と適切な処置が優先です。

那覇でむち打ちにお悩みの方へ

「レントゲンで異常なしと言われたけれど痛みが取れない」という状態は、決して珍しいことではありません。北京堂鍼灸首里いじゅ治療院(沖縄県那覇市首里)では、頸部深層筋への鍼治療を通じて、こうしたむち打ちの慢性化に向き合っています。那覇市内をはじめ、浦添・宜野湾・糸満・豊見城からも多くの方にお越しいただいています。事故から時間が経ってしまった方も、まずは一度ご相談ください。

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