緊張型頭痛と後頭下筋群の深い関係|日常生活・職業・シーン別解説

パソコン作業のあとに頭が締め付けられる那覇の方へ|緊張型頭痛と後頭下筋群の深い関係

夕方になると頭全体をハチマキで締め付けられているような重だるさが出る。目の奥がズーンと重い。市販の鎮痛剤を飲んでもその場しのぎにしかならない。那覇市内でデスクワークをされている方から、こういったご相談を本当によくいただきます。北京堂鍼灸首里いじゅ治療院の伊集です。

それ、多くの場合「緊張型頭痛」です。そして緊張型頭痛の正体は、脳の病気ではなく首の後ろ側にある深層筋の慢性的な硬さであることがほとんどです。正直、ここを見ずに頭だけをマッサージしても、根本的にはあまり変わりません。

緊張型頭痛ってどんな頭痛?

緊張型頭痛は、頭全体を締め付けられるような鈍い痛み・重さが特徴で、ズキズキ脈打つような偏頭痛とは性質が違います。夕方から夜にかけて悪化しやすく、肩こり・首こりを併発している方がほとんどです。長時間同じ姿勢で作業したあと、うなじから後頭部にかけてジワッと痛みが広がってくる感覚、心当たりのある方は多いのではないでしょうか。目の奥の重さ、こめかみのあたりの圧迫感、頭皮を触ると痛いといった訴えも珍しくありません。

原因は「後頭下筋群」と「板状筋」の硬さにあります

緊張型頭痛の主な原因筋として、当院がまず疑うのが後頭下筋群です。大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋という4つの小さな筋肉の集まりで、頭蓋骨のすぐ下、うなじの一番上あたりに位置しています。この筋群のすぐそばを大後頭神経が通っているため、後頭下筋群が硬くなると神経が圧迫され、後頭部から頭頂部にかけて締め付けるような痛みや、頭皮がピリピリするような感覚まで出てくることがあります。

もう一つの主役が板状筋(頭板状筋・頸板状筋)です。首を後ろに反らしたり回旋させたりする働きを持つ、比較的大きな筋肉です。デスクワークで頭が前に突き出た姿勢、いわゆるストレートネック姿勢が続くと、頭の重さ(成人で約5〜6kg)を支えるために板状筋が常に緊張状態を強いられます。ボウリングの球ひとつ分の重さを、首の後ろの筋肉だけでずっと支え続けているようなものだと考えると、その負担の大きさが想像しやすいのではないでしょうか。

日常生活のどんな場面で悪化するか

  • パソコンモニターに顔を近づける姿勢での長時間作業
  • スマートフォンを見る際のうつむき姿勢(いわゆるスマホ首)
  • 車の運転中、特に渋滞時の前傾姿勢
  • エアコンの効いた室内で首元が冷える環境
  • 歯の食いしばりや、集中しているときの無意識の力み
  • デスクワーク中に肘をつき、片方の首だけを傾ける癖

特に沖縄は車移動が多い地域です。信号待ちや渋滞のたびに、無意識に首を前に突き出して外の様子を確認する動作を繰り返している方も少なくありません。この積み重ねが後頭下筋群・板状筋の慢性的な硬化につながっていきます。また、デスクワークの合間にスマートフォンでニュースやSNSを見る時間が長い方も、首が休まるタイミングがほとんどなく、症状が抜けにくい傾向にあります。

職業・シーンによって、痛み方にも特徴が出ます

当院に来られる緊張型頭痛の患者さんを見ていると、お仕事の内容によって首への負担のかかり方にそれぞれ特徴があることに気づきます。いくつか代表的なケースをご紹介します。

エンジニア・プログラマーの方

長時間モニターに向かい、コードを追う作業が続くと、無意識に画面へ顔を近づける姿勢になりがちです。集中しているあいだは首の緊張に気づきにくく、気づいたときには後頭部から目の奥まで重だるさが広がっている、というパターンが多く見られます。

事務・経理職の方

書類とパソコンを交互に見る動作が多く、首の回旋・前屈を繰り返すことで板状筋・後頭下筋群に細かい負荷が積み重なっていきます。月末月初の繁忙期に頭痛が強くなるという声もよく聞きます。

コールセンター・電話対応の多いお仕事の方

受話器やヘッドセットを片耳で支えるような姿勢が習慣化すると、左右どちらかの首の筋肉だけが偏って緊張し続けます。片側だけ後頭部が重い、こめかみが痛むといった訴えにつながることがあります。

美容師・理容師の方

お客様の頭の高さに合わせてうつむく姿勢を一日中繰り返すお仕事です。腕を上げ続ける負担が肩にかかると同時に、首を下向きに固定する時間が長くなり、板状筋・後頭下筋群の疲労が蓄積しやすくなります。

育児中の方

抱っこや授乳の際にうつむく姿勢が続き、さらに寝不足も重なることで、首肩の緊張がゆるむタイミングがほとんどないまま日々を過ごされている方も多いです。育児中は自分の体を後回しにしがちですが、頭痛が続く場合はご自身のケアも大切にしていただきたいと思います。

職業は違っても、根っこにあるメカニズムは共通しています。首が前に出た状態が長時間続くことで、後頭下筋群・板状筋に持続的な負荷がかかり続けているということです。

なぜ何年も繰り返すのか。線維化という視点

「頭痛薬を飲めばその日はしのげるけど、また同じことの繰り返し」というお話もよく伺います。これは、慢性的な血流不足によって筋肉そのものの質が変わってしまっている可能性があります。硬くなった状態が長く続いた筋肉は、線維化といって、本来の弾力を持つ筋繊維がコラーゲン組織に置き換わっていくことがあります。線維化した組織はビーフジャーキーのように弾力を失い、血流もますます通りにくくなる悪循環に入ります。ここまで進むと、表面をさするようなマッサージやストレッチだけでは、正直なところ変化を感じにくくなります。

浅野先生の理論では、痛みの根本原因は「血流不足とそれによる深層筋の線維化」にあるとされています。長時間の同一姿勢や冷え、ストレスによって深層筋への血流が慢性的に低下し、損傷と修復を繰り返す中で筋繊維がコラーゲン組織に置き換わっていく。これが「何年経っても治らない」頭痛の正体であることが、臨床の現場でも数多く見受けられます。

肩こり・めまい・眼精疲労を併発しやすい理由

緊張型頭痛の患者さんは、肩こりや眼精疲労、時には軽いめまい感を併せて訴えられることがあります。後頭下筋群は眼球運動とも密接に関わりがあるとされる部位で、ここが硬くなると目の疲れやピント調節のしづらさにつながることがあります。また、板状筋の緊張は僧帽筋や肩甲挙筋といった肩まわりの筋肉とも連動しやすく、頭痛と肩こりが同時に悪化するケースをよく目にします。頭だけ、肩だけと分けて考えるのではなく、首から肩にかけて一連の流れとして状態を診ていくことが、当院が大切にしている視点です。

深層筋鍼治療でのアプローチ

当院では、この線維化した後頭下筋群・板状筋の深部に、長く太い鍼で直接アプローチします。うなじの深い部分まで届かせることで、表面的な施術では届かない場所の硬さにも機械的な刺激を加え、組織の入れ替わりを促していきます。一般的な鍼灸治療に比較して強い刺激を使い、置鍼を行います。これは軸索反射という神経の反射を十分に引き出すための、北京堂浅野式における必須のプロセスです。鍼を留置する時間があるからこそ、刺激された神経領域の血流改善効果が広い範囲にしっかり波及していきます。

鍼が正しく深部の筋肉に届くと、「得気(とっき)」と呼ばれるズーンとした重だるいような独特の感覚が出ることがあります。これは強く指圧されたときの感覚に近く、鍼が目的の筋肉にしっかり届いている証拠でもあります。刺激量は患者さんの体格や体力、症状の程度に合わせて調整していますので、初めて鍼を受ける方もご安心ください。

台風や気圧の変化で悪化する方も

沖縄では台風や低気圧の接近時に「決まって頭が痛くなる」という方も少なくありません。気圧の変化が自律神経に影響するという説がよく知られていますが、当院ではもうひとつの視点として、体内の水分バランスの変化にも注目しています。外の気圧が下がると体内の圧力は相対的に高まり血管が広がろうとしますが、すでに硬く狭くなっている部分には血液が届きにくく、血流の良い場所へ流れが逃げてしまうことで、かえって凝った部分の血流が悪化するという考え方です。普段から後頭下筋群や板状筋が硬く線維化している方ほど、天候の変化のたびに症状が表面化しやすい体になっていると言えます。裏を返せば、日頃から深層筋の硬さを解消しておくことが、台風シーズンの頭痛対策にもつながります。

セルフケアでできること

施術の合間にできるセルフケアも2つご紹介します。ただし、線維化まで進んだ深層の硬さには限界があることも正直にお伝えしておきます。

  • 後頭下筋群のリリース:椅子に座り、両手の親指をうなじの生え際、骨のくぼみに当てます。頭の重みを利用して軽く上を向くように圧をかけ、ゆっくり深呼吸しながら30秒キープ。強く押しすぎないことがポイントです。
  • 板状筋のストレッチ:右手を頭の左側に添え、首を右斜め前にゆっくり倒します。左の首すじが心地よく伸びる位置で20〜30秒キープ。反対側も同様に行います。デスクワークの休憩時間に1〜2回取り入れるだけでも変化を感じる方がいます。

那覇・首里の北京堂鍼灸首里いじゅ治療院へ

緊張型頭痛は「よくあること」として我慢されている方がとても多い症状です。ですが、原因になっている深層筋にきちんとアプローチすれば、変化を実感していただけるケースを数多く見てきました。那覇市内はもちろん、浦添・宜野湾・糸満・豊見城からも通ってくださる患者さんがいらっしゃいます。頭の重だるさに毎日悩まされている方は、一度ご相談ください。

なお、突然の激しい頭痛、手足のしびれ・麻痺、ろれつが回らない、意識がぼんやりするといった症状がある場合は、緊張型頭痛とは別の病気の可能性があります。その際はまず医療機関を受診してください。