正座もしゃがむのも怖かった膝の奥の痛みが変わるまで|那覇のある患者さんの話
今回は、当院に通われているある患者さんの話を紹介します(プライバシー保護のため状況を一部変更しています)。60代・女性、趣味の畑仕事とグラウンドゴルフを続けたいという思いで来院された方です。
来院前:整骨院に通っても変わらなかった膝の奥の痛み
その方は数年前から膝の裏から奥にかけての痛みに悩まされていました。正座ができない、しゃがむと膝の奥がズキッとする、階段の下りで膝が抜けそうな感覚がある――近所の整骨院に半年ほど通い、電気治療とマッサージを受けていたそうですが、施術直後は楽になるものの、数日経つとまた同じ痛みに戻ってしまう状態が続いていました。「膝痛 整骨院」で検索して当院を見つけ、藁にもすがる思いでいらっしゃったとお話しされていました。
問診・触診で分かったこと
お話を伺い、実際に触診すると、膝関節の裏側、膝窩(しつか)と呼ばれるくぼみの奥にある膝窩筋と、その周囲、後十字靭帯(PCL)が通るあたりの深層組織に、まるでビーフジャーキーのような硬さが見つかりました。膝窩筋は膝関節を軽くひねって固定を解除する(ロックを外す)役割を持つ小さな筋肉で、坐位からの立ち上がりや、しゃがみ込む動作のたびに酷使されやすい部位です。この筋肉が硬く線維化してしまうと、膝関節の自然な動きが妨げられ、正座やしゃがみ込みの動作で痛みが出やすくなります。
加えて、膝関節は太もも全体の状態にも大きく影響を受けます。この方の場合、大腿四頭筋(特に膝のお皿の動きに関わる内側広筋・外側広筋)と、大腿二頭筋(ハムストリング)にも強い硬さがありました。畑仕事でしゃがむ姿勢を繰り返すことで、これらの太ももの筋肉が慢性的に緊張し、膝関節にかかる負担が普段から高い状態になっていたのです。整骨院での施術は表層の筋肉や電気治療が中心だったため、この深層の硬さまでは届いていなかったのだと考えられます。
施術の様子
初回は膝窩筋の位置と硬さを丁寧に確認しながら、長く細めの鍼で膝窩の深層にアプローチしました。膝の裏は膝窩動脈・膝窩静脈・脛骨神経など重要な血管・神経が通る場所でもあるため、解剖学的な位置関係を意識しながら、安全な角度・深さで刺鍼を行います。同時に、大腿四頭筋・ハムストリングといった太ももの大きな筋肉にも長い鍼でしっかりとアプローチしました。他の鍼灸治療と比べて強い刺激を用いること、そして置鍼を行うことが当院の特徴です。この方も最初は響きの強さに驚かれていましたが、「痛いというより、奥がズーンと重だるい感じ」とおっしゃっていました。
施術後の変化
3回目の施術を終えた頃から、「しゃがんだ時の痛みが減った気がする」という変化を感じ始め、6回目を終える頃には正座も短時間であればできるようになったと喜んでいただけました。現在はグラウンドゴルフの練習も再開され、月1〜2回のメンテナンスで経過を見ています。「もっと早く来ればよかった」という言葉を、今でもよく覚えています。
なぜ整骨院では届かなかったのか
慢性的な負荷を受け続けた筋肉は、血流不足と炎症の繰り返しによって、本来の弾力を失い、コラーゲン組織に置き換わっていく「線維化」という状態に変化していきます。線維化は特に、膝窩筋のような深部の筋肉や、靭帯・腱の付着部に起こりやすいことが分かっています。この状態になると、表面的な電気治療やマッサージ、ストレッチでは、なかなか組織そのものを変化させることができません。当院では、この線維化して硬く変性した組織に鍼で機械的な刺激を直接加え、こり固まった筋線維をほぐして組織の入れ替わりを促す特殊な刺鍼法を用いています。これは表面的な施術では届かない深さにこそ意味を持つアプローチであり、「何年も治らない」「他院で改善しなかった」膝の痛みにこそ、力を発揮すると考えています。
ご自宅でできるセルフケア
①タオルを使った膝窩筋・ハムストリングのストレッチ
仰向けに寝て、片脚にタオルをかけ、膝を軽く曲げた状態でゆっくり天井方向に持ち上げます。膝の裏からもも裏にかけて心地よい伸びを感じる位置で20〜30秒キープ。痛みが強く出る場合は無理をしないでください。
②大腿四頭筋のストレッチ
立った状態で片足の足首を持ち、かかとをお尻に近づけるようにして太ももの前側を伸ばします。バランスが不安な方は壁や椅子に手をついて行ってください。
ただし、これらのセルフケアはあくまで日常的な予防・維持のためのものです。すでに線維化して硬くなってしまった深層の組織に変化を起こすには限界があるため、正座やしゃがみ込みで痛みが続く場合は、専門的な施術を受けることをおすすめします。
那覇・首里いじゅ治療院について
当院「北京堂鍼灸首里いじゅ治療院」は、沖縄県那覇市首里にある、硬い筋肉の凝りによる症状を専門とする鍼灸院です。施術者の伊集和重は鍼灸師歴18年、施術回数3万5000回以上。膝窩筋・後十字靭帯周囲、そして大腿四頭筋・ハムストリングといった膝関節を取り巻く深層筋まで、長く太い鍼で直接アプローチする施術を行っています。那覇市内をはじめ、浦添・宜野湾・糸満・豊見城からも多くの方にお越しいただいています。整骨院に通っても変わらない膝の奥の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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Instagram要約:正座もしゃがむのも怖かった膝の奥の痛み。原因は膝窩筋という小さな筋肉の深い硬さでした。整骨院で届かなかった深さに、長く太い鍼で直接アプローチしています😊