なぜ当院は強い刺激と置鍼にこだわるのか

「なんでそんなに強い刺激なんですか?」とよく聞かれます

初めて来院された患者さんから、施術中によく聞かれる質問があります。「先生、なんでこんなに強い刺激で、しかも鍼を刺したまま置いておくんですか?普通の鍼灸院はもっと優しいって聞きました」。ハッキリ言うと、その通りです。当院では一般的な鍼灸治療に比較して強い刺激を使い、置鍼を行います。今日はその理由を、正直に自分の過去も含めてお話ししようと思います。

結果が出なかった駆け出し時代

鍼灸師になりたての頃、私は今よりずっと優しい刺激で施術をしていました。教科書通りの深さ、教科書通りの本数。それでも良くなる患者さんはいましたが、正直なところ「なんとなく良くなった気がする」で終わってしまうケースも多く、繰り返し同じ症状で来院される方を前に、自分の技術に対する自信を失いかけていた時期がありました。

患者さんは結果を求めて来院しています。「気持ちよかったです」だけでは、本当の意味でその方の人生を取り戻すお手伝いにはなっていない。そう気づいてからは、なぜ効かないのか、どこまで刺激を届ければ本当に変化が起きるのかを、ずっと考え続けていました。

浅野先生との出会いが全てを変えた

そんな時期に出会ったのが、北京堂浅野式の創始者である浅野周先生でした。浅野先生の施術、そして考え方に触れたとき、それまで自分が持っていた「鍼はそっと優しく打つもの」という前提が、根底から覆されました。

浅野先生が教えてくれたのは、コリの本当の芯、線維化して硬くなった深層の筋肉まで、長く太い鍼でしっかり届かせるという発想です。表面を撫でるような刺激では、何年も固まった組織は変わらない。奥まで届く鍼で、本数を惜しまず、必要な部位にしっかり刺激を入れる。この考え方に出会ってから、自分の施術の結果が明らかに変わっていくのを実感しました。

それまで「これだけ勉強して、これだけ練習しているのに、なぜ結果が出ないんだろう」と悩んでいた自分にとって、この出会いは技術面だけでなく、鍼灸師としての在り方そのものを立て直してくれる転機になりました。正直、あのタイミングで浅野先生に出会っていなければ、今この仕事を続けられていたかどうかも分かりません。

浅野先生の施術を初めて受けたときの衝撃

今でもはっきり覚えているのですが、浅野先生ご自身の施術を実際に受けさせていただいたとき、それまで自分が「強い」と思っていた刺激の感覚が、まったく別次元だったことに驚きました。表面をなぞるような刺激ではなく、狙った深層の筋肉にピンポイントで届く感覚。終わった後の体の軽さ、可動域の変化が、それまで自分が患者さんに提供できていたものとは比べ物にならないほど大きかったんです。

この体験がなければ、今の当院のスタイルは存在していません。技術は知識として学ぶだけでなく、自分の体で体感して初めて本当に理解できるものだと痛感した出来事でした。

強い刺激にこだわる理由

一般的な鍼灸院と比べて、当院では一言で言うと「奥まで、しっかり」刺激を入れます。長く太い鍼を使い、深層筋の線維化した部分に機械的な刺激を加えることで、こり固まった筋線維をほぐし、組織の入れ替わりを促していく。これは表面的な施術では絶対に得られない反応です。

もちろん、刺激が強い分、響き(得気)を感じる方も多くいらっしゃいます。ズーンとした独特の感覚で、患者さんの中には「地獄の雷」と表現される方もいるほどです。ただ、この響きこそが、深層の神経や筋肉にしっかりアプローチできている証拠でもあります。刺激の強さは体格や症状、その方の許容度に合わせて調整していますので、決して一律に強くしているわけではありません。

置鍼が必須である理由(軸索反射という仕組み)

もう一つ、当院が大切にしているのが置鍼です。他の鍼灸治療と比べて強い刺激を用いること、そして置鍼を行うことが当院の特徴です。これは「必要であれば行うオプション」ではなく、北京堂浅野式において必須の工程だと考えています。

理由は軸索反射(じくさくはんしゃ)という体の仕組みにあります。鍼で神経を刺激すると、その神経が支配する領域に血流改善や鎮痛の反応が波及していきますが、この反応が十分に広がるには一定の時間が必要です。刺してすぐ抜いてしまっては、この反応を最大限に引き出せません。だからこそ、鍼を一定時間留置する置鍼という工程を、当院では欠かせないものとして毎回行っています。

患者さんによっては、置鍼中に「じわっと効いてくる感じがする」「刺した瞬間より、置いている間の方が体が緩んでいくのが分かる」と話される方もいます。これはまさに軸索反射による血流改善が、時間をかけて広がっている証拠だと感じています。単発の刺鍼だけを繰り返すスタイルでは、この時間をかけた変化を引き出すことができません。

駆け出しの頃の私は、この置鍼という工程の重要性をどこかで軽視していました。刺す本数、刺す深さにばかり意識が向いていて、「刺した後、どれだけ留めるか」という時間の設計まで考えが至っていなかったんです。浅野先生から学んで初めて、刺鍼と置鍼はセットで一つの技術なんだと腹落ちしました。

「怖い」というイメージへの向き合い方

長く太い鍼、強い刺激、置鍼。ここまで聞くと「怖そう」というイメージを持たれる方も少なくありません。それは正直な感想として当然だと思いますし、無理に不安を消そうとは思いません。ただ、鍼の太さは実は注射針の細い部類(0.4mm)よりも細いものが多く、先端も松葉型で組織を傷つけにくい形状になっています。刺激量も一人ひとりの体格や症状、鍼への慣れに合わせて細かく調整できますので、初めての方はまず遠慮なくその不安をお伝えください。

実際に変化を実感した患者さんの声

以前、何年もぎっくり腰を繰り返していた患者さんがいました。他院では「安静にしてください」としか言われず、痛みが引いたら終わり、また同じことの繰り返し。当院で深層の腸腰筋まで長い鍼を届かせ、置鍼をしっかり行ったところ、「今までの治療と体の反応が全然違う」「終わった後の軽さが今までとは別物」と驚かれていました。強い刺激と置鍼、この2つが揃って初めて出せる結果があるのだと、こういった患者さんの声を聞くたびに再確認しています。

結果にこだわる理由

頑張りすぎて動けなくなった人を、もう一度動ける体に。これが私たちの仕事だと思っています。ぎっくり腰で歩けなかった方が、その日のうちに家まで歩いて帰れるようになる。何年も悩んだ坐骨神経痛が、深層の筋肉を緩めることで動きが変わっていく。その瞬間に立ち会えることが、この仕事を18年続けてこられた一番の理由です。

強い刺激も、置鍼も、目的はただ一つ、結果を出すことです。優しいだけの施術で満足していただけるなら、それでも良かったのかもしれません。ですが、本気で困っている方の力になりたいと思ったとき、私はこのスタイルにたどり着きました。

健康の架け橋になること。これが当院の一番の使命だと考えています。どの市町村にも1軒は、深層筋にしっかり届く鍼治療院がある。そんな世界を作っていきたいという思いも、この強い刺激と置鍼というスタイルの延長線上にあります。技術は誤魔化せません。だからこそ、結果で応えられる施術を、これからも突き詰めていきます。

急性期でも患部を避けない理由

五十肩の夜間痛や、ぎっくり腰の炎症が強い時期、「今は痛いから触らない方がいい」と考える方も多いと思います。ですが当院では、急性期であっても適切な部位にはしっかり鍼をするという方針を取っています。例えば五十肩の夜間痛は、首の付け根(C7周囲)や腕神経叢まわりの筋肉の凝りが強いことで増悪していることが多く、そこにきちんとアプローチすることで、夜も眠れないほどの痛みが和らいでいくケースを数多く見てきました。「炎症があるから触れない」ではなく「適切な部位に適切な刺激を」というのが、私たちの一貫した考え方です。

よくある質問

Q. 鍼灸初心者でも強い刺激で大丈夫ですか?
もちろん調整可能です。初めての方には、まず刺激量を控えめにしながら反応を見て、その方に合った強さを一緒に探っていきます。無理に最初から強い刺激をすることはありません。

Q. 施術後に筋肉痛のようなものが出ますか?
強い刺激・置鍼を行うぶん、施術後1〜2日ほど、筋肉痛に似た感覚が出る方はいらっしゃいます。これは深層の組織に変化が起きているサインでもあり、時間とともに落ち着いていきます。

Q. 置鍼中は動けないんですか?
置鍼中は基本的にベッドで安静にしていただきますが、リラックスして過ごしていただいて構いません。多くの患者さんが置鍼中にウトウトされるほど、体の力が抜けていく時間でもあります。

那覇・首里で本気の鍼灸をお探しの方へ

北京堂鍼灸首里いじゅ治療院では、鍼灸師歴18年、施術回数3万5000回以上の経験をもとに、深層筋への鍼治療を行っています。「他院で満足のいく結果が出なかった」「本気で改善したい」という方は、ぜひ一度、深層筋鍼治療を体験してみてください。ご予約はホームページの24時間ネット予約から承っております。