自律神経失調症について

自律神経とは

自分の意思とは無関係に、24時間働き続けているのが自律神経です。

呼吸・血液の循環・体温の調節・消化吸収・排泄・生殖・免疫などの機能を、環境や外部からの刺激に対して無意識に調整しており、

生命維持と快適に生活をするのに欠かせないものです。

「自立神経失調症」は特定の疾患名ではなく、活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経の2つのバランスが崩れた状態を意味する慣用表現です。

北京堂浅野式の鍼治療では、自律神経が脊椎から出て、筋肉の圧迫を受ける頚椎と脊椎付近の筋肉を緩めるように鍼治療を行います。

治療の回数の目安は3回~10回です。

 

この二つの神経が丁度よく体を調節してくれるおかげで、私たちは朝起きて仕事や遊びを活発に行い、夜はその疲れを癒し、また次の日に頑張る、というサイクルを続けていけます。

 

自律神経失調症の分かりやすいパターンは、

精神的なストレスで食欲が無くなった・逆に食べ過ぎる、

便秘と下痢を繰り返す、

冷え・のぼせや汗が出ない、出過ぎるなどで体温調節がおかしい、

仕事が忙しすぎて疲れているはずなのに眠れない、

睡眠時間は十分とっているのに朝起きられない、

何かの拍子に動悸がはじまる、

リラックスが上手くできない、力が抜けていないと言われる

などがあります。

 

【原因】

原因としては、不規則な生活や過度のストレスを誘因に、一過性に出現する場合、何らかの疾患に随伴する場合、うつ病や不安症の症状の一部として出現する場合などがありますが、

多いのは、人間関係や仕事のプレッシャーなどの精神的ストレスや過労、さらには光や音、温度などの身体的ストレスが挙げられます。

また慢性的な寝不足など、不規則な生活や偏った食事などが生体リズムを狂わせてしまい、自律神経の乱れにつながります。

更年期障害では女性ホルモンの分泌が減少するため、自律神経の乱れにつながり、ほてりや頭痛、めまいなどの不調が現れます。

また多系統萎縮症の一種であるシャイ・ドレ-ガ-症候群、パーキンソン病、レビー小体型認知症など身体疾患に伴う自律神経症状や、うつ病や不安症などの症状の一部として出現する自律神経症状もあります。

 

【治療】

自律神経は、身体を活動に適した状態にする交感神経は胸髄と腰髄から出ます。それに対して身体を休息の状態にする副交感神経は脳と仙髄から出ています。

そして、身体の支配先の各器官にまで分布するわけですが、その行く途中の筋肉を鍼で緩めて治療します。

神経は筋肉やほかの組織に圧迫され続けると、うまく働かなくなります。

強く圧迫され続ければ信号を伝えられなくなり、機能不全になります。

弱い圧迫が続けば信号を頻繁に出すようになり機能が亢進します。神経が支配している臓器が過剰に働かされることになります。

坐骨神経が圧迫されれば支配している筋肉に痛みが出て座骨神経痛となります。正座を長時間して運動神経が圧迫されれば麻痺になりますし、同時に知覚神経も圧迫されるので痺れます。

自律神経が緊張した筋肉によって圧迫されるので、様々な臓器の不具合が起き、不定愁訴と呼ばれる自律神経失調症の症状になるわけです。

また、内臓体性反射といって、臓器の不具合があるときに、同じ脊髄分節から出る神経支配の筋肉を固くする現象があります。胃痛があるときに背中が張って痛む、とか、盲腸のときに筋性防御が起こり、右下腹部が固くなるなどの反射です。

これは逆に応用することが出来ます。体性内臓反射と言って、固くなった背中の筋肉をほぐす事で胃の痛みを和らげたり、むし歯が腫れて痛むときに頚部に鍼をして一時的に腫れと痛みを引かせることが出来ます。

 

 

症状に合わせて、頚部の筋肉と、脊柱起立筋を緩めるように刺鍼します。

 

頚部の筋肉を深部から緩める頚部基本刺鍼

脊柱起立筋に刺鍼し、自律神経への圧迫を緩めます。

筋肉が緩んだら、症状は一時的には改善されますが、生活を振り返って頂き、できる事ならば、ストレスの原因を取り除くことが大切です。

仕事や人間関係など、簡単に排除できない場合も多いのが現実ですが、人生を楽しむにはある程度の健康レベルが必要ではないかと考えます。

上記のような症状でお悩みの方はぜひ一度 鍼治療を試してみてはいかがでしょうか。